特集
冬の養生
日ごとに寒さがつのり、冬もそろそろ本番を迎える時季になりました。寒さに負けず健やかに過ごせるコツ「冬の養生法」を、マクロビオティック クッキングスクール リマ専任講師の櫻井裕子先生に伺いました。
マクロビオティックの冬養生
冬という季節は、立冬の11月7日・8日から始まり、大寒(1月20日頃)を過ぎて、立春の前日(2月3日)までになります。
秋から冬にかけて、陰の気がだんだんと多く強くなり、やがて陰の極みの状態(極陰)の冬に変化します。
冬至(12月21・22日)までは日照時間がどんどんと短くなり、昼の暖かい時間よりも夜の冷え込む時間が長くなります。朝夕は冷え込み、昼間の日差しも弱まり、木枯らしが吹き、冷えこみが厳しくなって山の方では雪が降り始めます。
植物の葉は枯れ落ちて、動物は冬眠します。植物も動物も活動を停止し、じっと春が来るのを耐えて待つ時期です。人間もその自然界のサイクルに従えば、寒さから身を守るためにエネルギーを身体の中に蓄え、休養をするべき季節です。なので、冬は無理が禁物の時期となります。
冬に気を付けたいトラブル
冬は、とにかく「冷やさないこと」が大事です。
冬に向かい寒さが深まると、気力も体力も低下し、下半身のむくみや足腰のだるさ、手足の冷えなど、じつにさまざまな不調が出てきます。
冬の暮らし方
寒さによる気力と体力の消耗に備えるためには、まずは冷えに気をつけること、そして夜更かしをせずに睡眠を十分にとることが大切になってきます。
温かい恰好をして靴下は2枚重ねで履き、お腹・腰・お尻を温めましょう。
こんにゃく湿布や生姜湿布がおすすめですが、すぐに用意できない時は、手軽に腹巻きや使い捨てカイロ、湯たんぽなどを使っても良いでしょう。
また、血液循環を良くするために、ヨガのような体操や、お家のお掃除などで身体を十分に動かすことなども有効です。
大きな動きをしなくても、ツボが集まっている手の平や足の裏を指圧する、手足の指をマッサージする、お尻やお腹をよく揉むなど、全身の血液の循環を促進させるようなマッサージをすると効果的です。
櫻井先生直伝!かんたんツボ押し法を動画でご紹介しています。
冷たい飲み物や食べ物、身体を冷やす甘いものや果物を大量に摂ったりすることは避け、梅醤番茶などの温かい飲み物や食べ物を摂りましょう。
●梅醤番茶
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冬の食材
冬に積極的に食べていきたい食材は、身体を温めてくれるごぼうや人参、蓮根などの根菜類。
鉄分やカルシウムなどミネラル豊富な昆布やひじき、わかめなどの海藻類。
食物繊維が豊富でデトックス力が高い黒豆や小豆などの豆類、そしてポリフェノール豊富な黒ごまや黒米などの黒い食材。
楽しいイベントが続く冬の食事は、乱れがち。きのこ類や大根おろしなど、消化を促す食べ合わせも大切になってきます。
また、鹹味(かんみ:塩気のこと)は身体を温める作用があり、体内の水分代謝を調整してくれます。お料理は、他の季節よりも、しっかりとした味付け(適塩)、長く火にかけコトコトと煮込む、圧力をかけるなどして、身体を少し陽性気味に傾けるように工夫しましょう。
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ここで今回ご紹介したいお料理は、きんぴらごぼう、あらめ昆布の煮物、切り干し大根のお味噌汁、そして南瓜と小豆のケーキ。
さらに、元気のない時などに特にオススメなのは、ねぎ味噌や葛を使ったお料理です。
●ねぎ味噌
特にねぎ味噌は、身体を温めてくれます。冬から春の季節の変わり目に向けて今から食しておくと良いでしょう。
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●葛練り・葛湯
また、葛練りや葛湯もお腹に良いと言われ、昔から伝えられているお料理です。是非これらの腸内環境をととのえる食事を心がけ、寒い冬を乗り越えて下さいね。
葛湯のレシピ動画はこちら
冬の養生レシピ
●切干大根の味噌汁
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●あらめ昆布の煮物
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●きんぴら
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●かぼちゃと小豆のケーキ
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2021年12月10日公開
2022年12月6日再投稿
2023年12月19日リライト