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大切な食材をムダなく美味しく!暑い季節の保存方法

毎年厳しさが増す日本の夏。この暑さは食材にとっても過酷な環境です。
保存場所や保存方法を見直して、食材を守ってあげましょう。
保存する期間・温度
食品のパッケージに書かれている「賞味期限」は、開封前の品質が保てる期限を表しています。開封後は、賞味期限に関わらず、早めに使いきるようにしましょう。
大容量で買い求めると価格としてはお得な場合がありますが、開封後、保存している間に品質が悪くなって最後まで使いきれないことも。美味しく楽しむなら、よい状態で使いきれる量を知ることが大切です。食材ごとの使用量を振り返ってみましょう。
また、食品には保存方法が書かれています。記載されている内容を守って、正しく保存することで、品質を保つことができるのです。
「高温多湿を避け、常温で保存」「直射日光を避け、冷暗所で保存」など、これらはどういう場所で保存することなのでしょうか?
食品それぞれに、保存のために適切な温度帯がありますから、表記をチェックしてみてくださいね。
常温 | 外気温を越えない、15~25度 |
冷暗所 | 直射日光が当たらない、風通しの良い場所で、温度は10~15度 |
冷蔵 | 10度以下 |
気をつけてほしいのは、「常温=室温ではない」ということ。暑い季節や暖房を使う季節は室温も上がりやすいので、上記の範囲を上回る温度になる場合には、涼しい場所を探しましょう。
そして冷暗所はひんやりしている場所のことですが、こちらも同様に、暑い季節や、暖房を使う時期は室温が高くなっていることがあります。冷暗所、と思って食品を保存している部屋や場所の温度は、季節ごとにチェックするようにしましょう。
また直射日光も、食材の品質を落とす大きな原因のひとつです。室内であっても、窓と保管場所の位置によって直射日光があたってしまうこともあります。扉つきの戸棚、壁で仕切られたパントリー、床下収納などを活用して、直射日光から食材を守るようにしましょう。
【醤油・味噌】・【米】・【粉類】の保存方法にてついてご紹介します。
【醤油・味噌の保存について】
発酵食品も保存方法次第で、美味しい状態を長く保つことができます。
特にオーサワジャパンが扱う醤油の中には加熱処理をしていないものもあり、味噌も非加熱の生味噌が多くあります。こうした生きた発酵食品は、温度によって変化しやすいものです。適切に保存しないと、「産膜酵母」が発生したり、味噌の場合は発酵が進み、色が濃くなる場合があります。
こうした変化をしても食べることはできますが、風味が低下してしまいます。美味しく食べ続けるために、保存方法を見直してみましょう。
まず開封前は、冷暗所で保管します。特に生味噌は、購入されたら冷蔵庫に入れておくのがおすすめです。
そして開封後は、必ず冷蔵庫で保管を。
醤油などを「大容量で買ってしまって、冷蔵庫に入らない」という場合は、冷蔵庫に入るサイズの清潔な入れ物を用意して、分け入れましょう。その後の補充の際なども扱いやすくなるのでおすすめです。
味噌を長期保存する場合は、冷凍保存がおすすめ。空気を抜いて保存袋などに入れて冷凍庫に入れておくと、発酵が進みにくくなります。
※「産膜酵母」とは
醤油のほか、味噌や酢、ぬか床に発生する、白い膜や白い粒状のもので、酵母の一種です。空気(酸素)と暖かいところを好む無害の酵母です。発生する原因は、醤油の発酵状況や保管場所など様々な要因が考えられます。
「産膜酵母」は無害ではありますが、独特の風味がありますので、気になる場合は醤油であれば布などで濾して、味噌であれば「産膜酵母」が発生した部分だけ取り除いてご使用ください。
【玄米の保存について】

玄米には、水分が浸透しにくい層があり、白米と比べて空気に触れにくいことから、酸化のスピードが遅く、貯蔵性が高いといわれています。では、しっかり保存しなくても大丈夫なのでしょうか?
答えはNOです! 適切に保存しないと、カビ・ムシの発生、酸化などの可能性があります。特に有機米や農薬を使わずに育てられた米は虫にとっても美味しいもの。しっかり対策しましょう。
玄米の保存は、まず密閉することが大切です。虫を防ぎ、調湿効果のある桐などの素材の米びつがあれば理想的です。もっと手軽な方法としては、チャックつき保存袋を使いましょう。お米を入れたら空気を抜いて、しっかりと密閉します。
保存袋の品質は個体差がありますから、お米用のものを選ぶか、できるだけ密閉性が高く、厚みのある素材のものを選んでください。そして冷暗所で保存にしましょう。暑い季節は、冷蔵庫の野菜室に入れるのがおすすめです。
胚芽米や白米の場合も、保存方法は玄米と同じです。玄米よりも鮮度が落ちやすいので、少量ずつ購入するか、玄米を購入して都度精米するのがおすすめです。
【小麦粉・米粉などの粉類の保存について】

穀物からできた粉類も玄米と同様に、保存に気をつけたいものです。カビ・ムシの発生、酸化などの変化を起こさないような保存が必要です。
米と同じく、密閉して保存しましょう。袋の口をクリップなどで止めるだけでは、虫などは容易に入れてしまうので、不十分です。袋ごとジップ付き保存袋に入れるか、密閉できる容器などに移しましょう。容器にはパッキンが付いているとさらに良いです。
保存する場所は、ガス台の横など、手に取りやすい場所に置きたくなりますが、温度が高い場所なので、避けるのが賢明です。粉類も冷暗所での保存が理想です。
暑い季節には冷蔵庫で保存を。冷蔵庫からの出し入れは、温度変化で湿度を吸収しやすくなるので、使い終わったらすぐにしまうようにするのもポイントです。
食材を使いきることは、フードロスを減らすことにつながります。厳選した調味料や食材たちを、最後まで美味しく使いきれるように、この季節、保存方法を見直してみませんか?