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和歌山・龍神村の青梅と太陽の恵みが生み出した
伝統的な保存食「オーサワの龍神梅干」

「三毒を断ち、その日の難逃れ」。かつてはどこの家庭でも保存食として、また健康食として手づくりされていた梅干し。その日本の伝統食が実直につくられている場所が、和歌山県の山中にあります。

 

手もぎした青梅を、水でアク抜きしたあと塩に漬け、天日干しして紫蘇漬けに。漂白も脱塩も、食品添加物も甘味料も一切なし。
梅干しの優れたパワーが最大限発揮されている「龍神梅」では、家庭でつくられるのと同じように、シンプルな工程の梅干しづくりが丁寧に行われています。そこは若者たちが汗を流し、食の喜びを追求する現場でもありました。

 

 

始まりは、食の重要性を感じた両親の想い


 

 国内で約7割の生産量を占める、いわずとしれた梅の特産地。和歌山県のほぼ中央に位置する山間に、今回訪ねた龍神村はあります。パワフルな梅干し「龍神梅」を生産しているのが「龍神自然食品センター」です。

 

代表取締役の寒川善夫さんは、両親の開いた同社を継いだ2代目。
実体験から得た食への伯念からご両親が立ち上げた同社は現在、農薬不使用の梅と梅加工品の生産が事業のメイン。“正しく酸っぱい”普遍的な健康食としての梅干しづくりを貫き続けています。龍神梅ブランドはその真っ当さで、今では梅千し好きの間では知らない人はいないほどの人気を誇っています。
 

 

 

急斜面の梅畑を駆けまわって
木に登り、青梅を手もぎする



梅の収穫は毎年5~6月。数十箇所ある梅畑を日々見てまわり、実りの状態を確認して収穫します。
しかし今回案内されたのは、畑と聞いてイメージしていたのとは違う山の斜面。それもかなり急勾配な箇所も。そんな場所で龍神自然食品センターでは、ここ40年ほどで主流になった、完熟した落ち梅を収穫するのではなく、木になっている若い青梅を手でもぎ取るという昔ながらのやり方を貰いています。

 

 

「急斜面であるメリットは何もないどころか、むしろ手間ばかりかかる。でも、自然のままが最善なので。だから、うちは梅の実につく黒い斑点もそのまま。生き物が生きられる環境をつくるために農薬も使いません」そう話してくれたのは、寒川社長の右腕の井谷直寛さんです。

 

 

 

絶対的で絶妙な 龍神梅の“塩梅”(あんばい)


 

収穫した梅は、契約農家からの入荷分と合わせて選別。選別後はアク抜きのため、また、果肉を柔らかくするために水に漬けます。

 

「完熟梅と違い、青梅は1~2日間ほど漬けます。その日の梅の状態を目で見て、指で触れて、水の量や漬ける時間を調節します」と話す朝間雄太さんは、長年の経験から感覚でそれがわかるという“漬けの神” の異名の持ち主。ひとりで1日3t分もの梅を漬けるそう。

 

 

水漬けを終えた梅は、塩漬けに。
「酸の強い青梅の塩漬けには、粒子が細かく溶解スピードが速いシママースを使います。だから完熟梅の塩漬けよりも低い12%の塩分で漬けられるわけです。それ以上の塩分だと塩辛くなりすぎる。それ以下だとカビ発生のリスクがありますが、防腐剤や脱塩処理は絶対にしたくない。保存食であり健康食、それこそが元来の梅干し。だから、僕は永遠に梅と塩のみでつくるのです」(寒川社長)

 

 

食べものをつくるための 当然のことをする


 

 5~8tのタンクに塩と梅を順番に重ね、25層ほどにします。
タンクは半分地中に埋められているので、中を覗いたときに初めてその深さ、大きさが実感できます。そのタンクの綺麗なこと!昔ながらの製法は大切に守り、徹底的にこだわり続けながらも、時代に合わせて変えるべきところは刷新。

 

「タンクは皿だと思え、と社長から言われているので、とことん洗浄します。食品をつくるために清潔さを保つのは当然という単純な話です」(井谷さん)

 

 

2~3ヶ月後、梅酢が上がり、塩漬けが仕上がった順から、梅は天日に干されます。夏場は約3日、冬場なら1週間ほど太陽にさらします。粒全体がまんべんなく干されるよう、季節や天候を見極めながら天地を返すのも手作業。干し上がり、水分がとんで17~18%の塩分になった梅は、樽に入れて倉庫で寝かせます。

 

 

十分に寝かせて梅の酸味と塩味がとれ、まろやかになったら、次は赤紫蘇漬け。龍神梅では紫蘇もすべて自家栽培です。谷や川から引いての水やり、草取り、手もぎの収穫、アク抜きのための塩もみ。紫蘇の枇話はともすると梅以上に大変な作業。梅酢と紫蘇でできた赤梅酢に、塩漬けした梅を漬けて2週間。赤紫蘇の風味が加わった“昔のまま”の梅干しがようやく完成です。

 

 

 

できるだけのことをして とことん楽しく生きる


 

井谷さんによれば、いちばん重要かつ大変なのは原料の確保とのこと。龍神自然食品センターでは梅だけでなく、米や大豆をはじめ、さまざまな農産物もつくつています。また各人に裁量が任されており、野菜や料理をつくったり、加工会社を立ち上げたりしたスタッフも。
 

「農業は生活、僕らの一部。たとえ文明が終わっても、自分たちで食べ物をつくっていれば笑って生きていける。食を突き詰めるとはそういうことです」と寒川社長は言います。「ここで働く若者たちが農業を好きであり続けられるように演出したい。僕が思う最高のもので人を喜ばせたい。それが僕の仕事」とも。

食という人間の生活を支える根本の存在でありながら、農業はいま、高齢化問題や後継者不足などさまざまな問題を抱えています。
けれどもここ、龍神梅自然食品センターでは、若い世代の人たちが人の縁でつながっている。彼らのいきいきと活躍している姿を見ると、未来に明るいひと筋が差しているところが確かにあるようです。寒川社長は言います。

「食は人を幸せにできるから楽しい、自分も気持ちいい。ものづくりも生き方も結局、大事なのはそれですね」
 

 

 

「オーサワの龍神梅」を楽しむレシピ


 

●五龍梅ごはん

 

●にんじんの梅煮

 

●梅干しアイス

 

 

▶有限会社 龍神自然食品センターの最新情報はホームぺージでご覧いただけます。

 

 

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▶記事全文は、WEBマガジン&フリーマガジンLMvol.9「オーサワの龍神梅干」でご覧いただけます。

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